マンションには塗り壁が向いている?メリット・デメリットも解説!

マンションの湿気に悩んでいませんか?
ジメジメしてカビが生えやすいマンションに住んでいると、心もブルーになってしまいます。

そんな悩みをお持ちの方におすすめなのが塗り壁です。

マンションを塗り壁にリフォームすると、カビの悩みから解放され、生活臭のない、快適な住居に住めるでしょう。

ここから、マンションに塗り壁がおすすめの理由、メリット・デメリットについて解説します。

マンションに塗り壁がおすすめの理由

マンションは窓が少なく気密性の高い構造になっています。

そのため、空気の出入りが悪く、湿気がこもりやすい傾向があるでしょう。

鉄筋コンクリート構造は、調湿性が低く湿気が出やすいので、注意が必要です。

マンションは、こまめに換気しないとカビが発生しやすいため、きちんとした湿気対策が必要でしょう。

そんなマンションにこそ塗り壁は最適です。

塗り壁はマンションで効果を最大限に発揮する

塗り壁は調湿性が低いマンションでこそ、効果を最大限に発揮します。

調湿性が高い塗り壁ですが、一戸建ての場合は外気が入りやすい構造のため、効果は限定的です。

一方マンションの場合は気密性が高く隙間のない構造となっているため、塗り壁による調湿性の効果が高くなります。

湿気がこもりやすいマンションに、塗り壁は最適な素材でしょう。

塗り壁は生活臭にも効果がある

中古マンションに住んでいると独特の臭いがします。

特にトイレや水回りにはアンモニアの臭いやカビの臭いが染みついています。

新築マンションでも長年住んでいると、このような臭いが出てくることは避けられません。

塗り壁には生活臭を分解・吸収する働きがあります。

生活臭のしない家に住むことを希望するなら、塗り壁はおすすめでしょう。

【塗り壁の種類】漆喰・珪藻土

ここまで説明してきたマンションで発揮する塗り壁の効果は、「漆喰」「珪藻土」の2種類によって発揮されています。

それぞれの特徴と2つの違いを見ていきましょう。

漆喰とは

「漆喰」は消石灰を主原料とし、耐火性があります。

そのため、昔から城や蔵の壁に利用され、現代でも家の壁に利用されている塗り壁です。

天然素材だけで作られた漆喰壁は静電気が発生しないため汚れがつきにくい性質を持っています。

また、その他の特徴は、主原料である消石灰の強アルカリ性の作用です。

コーヒーなどのシミも時間が経つと目立たなくなるほか、ウィルスや菌を分解する働きがあります。

タバコを吸う人や家でペットを飼っている人など、家の臭いが気になる人には、生活臭を消してくれるためおすすめでしょう。

また、漆喰は、ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸収・分解する働きがあります。

お子様・高齢者・ペットなど、シックハウス症候群を発症する可能性の方にとって、安心できる素材です。

原材料が天然のものは調湿効果や・消臭効果が期待できる一方、副原料として合成樹脂が含まれていると、本来の効果を発揮できず汚れの原因になる可能性があります。

珪藻土とは

「珪藻土」は、珪藻という植物プランクトンが化石化してできたものです。

珪藻には肉眼では見えないたくさんの細かい穴があり、高い調湿性が期待できます。

そのため、年間を通して湿度に悩むことなく、快適に過ごすことが可能です。

家の中がジメジメしていてカビに悩んでいる人に、珪藻土はおすすめでしょう。

漆喰のように自ら固まることができないため、壁に塗るには固材が必要です。

漆喰と珪藻土の違い

同じ塗り壁であっても、漆喰と珪藻土は原材料が異なるため、質感・色、調湿性能・カビに対する抵抗性などさまざまな違いがあります。

漆喰と珪藻土の違い漆喰珪藻土
質感ツルツルした仕上がりザラザラした仕上がり
乳白色を中心としているが、
着色剤を加えた色のバリエーションも
カラーバリエーションが豊富
外壁への使用可能性使える使えない
調湿性JIS規格では調湿建材ではない。
(下地が石膏ボードのため、下地が土壁だった昔の漆喰のような調湿性がない)
ただし、ビニールクロスと比べると性能は数倍以上
高い
カビに対する抵抗性新築当初は珪藻土より高いが、その後は同じぐらい調湿性があるため、カビの発生を抑制する
抗菌性あるない
消臭性ある(ホルムアルデヒドを吸収・分解)ない
耐火性あるある
施工費用高い
クロスの3~6倍
下塗りが必要で施工も難易度が高いため、珪藻土より高額
高い
クロスの3~6倍
漆喰よりは安い

ビニールクロスとの違い

塗り壁は、ツルツルしたり、ザラザラしたりと見た目に風合いがあるだけではなく、マンションを塗り壁にすることで、ビニールクロスにはないような様々な利点があります。

ここからビニールクロスと比べて塗り壁の方が良い点について解説します。

ホルムアルデヒドの分解

ホルムアルデヒドは接着剤などに入っている化学物質のことです。

臭いに敏感な方はホルムアルデヒドで眩暈がしたり、気分が悪くなったりします。

椅子・棚など生活の中のあらゆる家具の材料である合板の材料は、木材を破砕したチップです。

接着剤としてホルムアルデヒドが利用されていますが、それが原因となり、「目がチカチカする」「鼻がかゆい」「頭痛がする」「吐き気がする」といったシックハウス症候群を引き起こします。

漆喰の働きは、このホルムアルデヒドを吸収・分解することです。

壁を漆喰に変えることでシックハウス症候群のリスクを軽減できるでしょう。

温度・湿度の調整

塗り壁はビニールクロスと比較し、優れた調湿効果があり、ジメジメしてカビが生えやすいマンションの悩みから解放してくれます。

塗り壁の特徴は、夏の暑い時期には湿気を吸ってくれ、冬の乾燥した時期には湿気を吐き出してくることです。

湿度が下がると体感温度も下がるため、「エアコンいらずで、家の中が快適である」といった常に快適な住居環境を維持できるでしょう。

色やパターンが豊富

塗り壁のパターンは下記の通りです。

【コテ波】
コテの跡を付けて塗ります。

【ハケ引き】
ブラシのハケで跡を付けて塗ります。

【扇】
コテで半円を描き、扇形にします。

【スポンジローラー】
スポンジローラーを転がして模様を作ります。

【スパニッシュ】
コテの後ろで四角の模様を作ります。

塗り壁の色に関しては、白のイメージが強いかもしれませんが、現在は各メーカーからカラフルな色が出ています。

部屋ごとに塗り壁の色を変えても色の違いを楽しめるでしょう。

漆喰に比較すると、珪藻土は色のバリエーションが豊富で、最大で350色まで対応できるメーカーもあります。

メンテナンスが容易

塗り壁のメリットの一つはメンテナンスの容易さです。

クロスでは使えない漂白剤なども使え、消しゴムで消したり、メラミンスポンジを使ったり、サンドペーパーで削ったり、塗り直しもできます。

コーヒーをこぼした時など自分で補修できるのが魅力です。

壁のリフォームを考えている方は「失敗しない砂壁リフォーム!費用やDIYでも簡単にできる方法を解説」も併せてご覧ください。

塗り壁の注意点

様々な利点があるマンションの塗り壁にも注意点はあります。

実際にはどのようなものがあるのでしょうか?ここからは注意点について解説します。

コストの高さ

塗り壁の注意点として一番挙げられるのがコストの高さです。

塗り壁は手間がかかるため、人件費がかかります。

さらに材料によっては高額なため、どうしてもビニールクロスと比較し最高で5倍程費用がかかります。

職人の技術

塗り壁の出来の良さは左官屋の腕によって異なり、技術によって品質にも差が出るでしょう。

懸念されるのが、仕上がりの厚みがバラバラである、薄いところに想定外の負荷がかかるといった弊害です。

塗り壁を依頼する場合、事前に左官屋と綿密に打ち合わせをしておくことをおすすめします。

ひび割れ

塗り壁は水分が減少するとひび割れが起こります。

どれだけ気を付けていても、塗り壁の特徴として、ひび割れは起こってしまうでしょう。

自分で補修も簡単にできるため、「塗り壁はひび割れが起こるもの」と認識することが大切です。

施工期間の長さ

塗り壁の施工期間は、ビニールクロスの張り替えより長くかかり、2~4日程です。

シーラーを下地として塗ったり、乾かしたりするのに時間を要します。

そのため、塗り壁のリフォームをする場合、春・秋がおすすめです。

梅雨の時期は雨が降り作業が遅れてしまう、夏は台風の心配がある、冬は夏より乾くのに時間がかかるといった問題があります。

ただし、梅雨の時期は依頼が少ないため、費用が安くなるメリットはあるでしょう。

汚れの落としにくさ

塗り壁は10年経つと塗り直しが必要です。

経年劣化でひび割れや汚れが目立つようになります。

また、表面の凹凸に汚れや雨水が入ることで、コケ・カビ・黒ずみもできるため、プロによる定期的なメンテナンスが必要です。

リノベーション費用を抑えたい方は「リノベーションの費用の相場は?コストを抑えて行う方法を解説!」をご覧ください。

マンションの塗り壁の費用

マンションの塗り壁のリフォーム費用は現在の壁の状態、選ぶ材質、リフォーム内容によって異なります。

費用相場:12万~19万円

【塗り壁リフォーム費用の内訳】
・養生費
ビニールテープで周りを養生し汚れから保護します。

・土壁撤去費
壁を撤去します。

・シーラー塗布
シーラーで塗装面を整えます。

・珪藻土・漆喰塗り
下地の後、珪藻土や漆喰を塗ります。

・脚立足場
脚立は高所で作業する場合の足場として使います。

・引渡し清掃費
最後に汚れを綺麗に掃除します。

・資材運搬費及び諸経費
資材を運ぶ費用やプラン作成などの費用です。

まとめ

隙間がなく気密性が高いマンションで、悩みの種は湿気でしょう。

マンションの湿気対策に最適なのは塗り壁です。

塗り壁は外気が入りやすい戸建てより、気密性の高いマンションこそ効果を発揮します。

メリットは調湿性に優れ、生活臭がなくなることですが、デメリットは施工費用が高いことです。

安心してマンションを塗り壁にリフォームしたいと望む方は、住宅リフォーム全般の実績が豊富で、アフターフォロー体制も整っているベストリノベーションにお任せください。

新着記事

ユニットバスのリフォームにはどんな工程が必要?契約から工事内……

タイル張りのお風呂をユニットバスにリフォーム!費用やメリット……

トイレに洗面台を付けておしゃれにリフォームしよう!費用やタイ……

キッチンの通路幅の理想のサイズとは?注意したいポイントを紹介

浴室に窓を設置するメリット・デメリットは?種類を紹介

窓リフォームの種類は?費用や注意点も解説