中古マンションのリフォームでもらえる補助金は?費用を抑える方法も解説
中古マンションのリフォームを行う際には、補助金や減税措置についても考慮することが一般的です。
既存の建物よりもさらに住み良い環境になり、費用の一部が返ってくる補助金や、税金を減らせる減税を受けることで金銭的な負担が大きく軽減します。
しかし制度には種類が多く、年度が変わると見直されるため、利用できる制度を理解することから始める必要があります。
補助金や減税の制度について紹介します。
目次
中古マンションをリフォームする際に利用できる補助金
中古マンションをリフォームする際には補助金をもらえる支援制度があり、政府からもらえるものと、地方自治体からもらえるものに分けられます。
補助金の一例を見ていきましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅の長寿命化や子育てしやすい環境への改修などの性能向上リフォームに対する支援を行う事業で、耐震性能や劣化対策、省エネなどの改善が必須条件です。
制度の延長が決定していますが、補助額や要件など、内容が継続されるかは現在のところ未定です。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
旧呼称は断熱リフォーム支援事業で、高性能な断熱材や窓などを使用し、一定の省エネ効果(15%以上)の向上が見込まれる断熱リフォームを行なった際に、費用の一部が補助されます。
住宅だけでなくマンションにも適用され、補助対象は住戸部のみで、廊下やロビーなどの非住戸部は対象外です。
このリフォームを行うことで光熱費の削減や、冷暖房の向上効果、結露の改善などが期待できます。
15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材を使うことが要件の一つです。
高齢者住宅改修費用助成制度
バリアフリーリフォームのことで、介護保険制度の対象で要支援または要介護の認定を受けた人が住んでいる住宅へ手すりを取り付けたり、段差を無くしたり、扉やトイレを使いやすくすることで費用の9割が支給されます。
上限は20万円です。
バリアフリーの補助金については「バリアフリーで補助金はもらえる? 申請手順やリフォーム事例も! 」をご覧ください。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
国土交通省と経済産業省、環境省が力を入れて取り組んでいる支援事業で、2022年の補助金は最大で100万円が予定されています。
補助金は省エネ性能によって3段階に分かれており、それぞれ補助額が異なるため注意しましょう。
ZEH支援事業(ZEH)
補助額は最大で60万円(2022年度は55万円の予定)で、太陽光発電などの蓄電システムを導入する場合はさらに最大で20万円の補助金が追加されます。
省エネに関する基準から20%以上の一次エネルギー消費量の削減が必要です。
ZEH支援事業(ZEH+)
ZEH+はよりグレードの高いZEHのことを指し、再生可能エネルギーの自家消費拡大を目指します。
補助金は最大で105万円(2022年度は100万円の予定)で、省エネに関する基準から25%以上の一次エネルギー消費量の削減が必要です。
先進的再エネ熱等導入支援事業
直交集成板、地中熱ヒートポンプシステム、PVTシステム、液体集熱式太陽熱利用システム等を導入する場合の補助金です。
補助額は最大で90万円が受けられ、ZEH支援事業(ZEH)やZEH支援事業(ZEH+)と併用できます。
さらに費用を少なくするための減税措置
補助金以外にもさらに費用を少なくするための減税措置が用意されています。
詳しく見ていきましょう。
住宅借入金等特別控除
住宅ローン減税とも呼ばれており、2022年の改正で住宅借入金等特別控除の制度が令和7年12月31日まで延長されることが決定し、中古マンションの控除率は一律で0.7%、控除期間は13年と新たに定められました(中古住宅や中古マンションは10年)。
限度額にも変更が加えられ、従来の借入限度額は原則4,000万円でしたが、税制改正後は2,000万〜3,000万円まで縮小されています。
10年以上の償還期間のローンを利用することが条件です。
特定増改築等住宅借入金等特別控除
ローン型減税とも呼ばれており、長期優良住宅化リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、同居対応リフォームなどの工事を行なった場合が対象です。
また最大控除額は一律で62.5万円で、5年以上のローンでリフォームを行なっていることが条件となっています。
住宅特定改修特別税額控除
投資型減税とも呼ばれており、長期優良住宅、低炭素住宅など耐震、省エネ、バリアフリー、同居対応などの要件を満たしており、自己資金でリフォームを行なった場合に利用できます。
工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であることや、床面積の半分以上が自己の居住として役に立っていること、合計所得金額が3,000万円以下であることなどいくつかの要件を満たす必要があります。
中古マンション購入の際に利用できる補助金
中古マンション購入の際に利用できる補助金については年度が変わるごとに見直されます。
2022年度にも実施される補助金について見ていきましょう。
すまい給付金
すまい給付金は消費税率が8%に増税される際に創設された制度ですが、消費税が10%に引き上げられた後の住宅取得にも利用でき、最大で50万円が給付されます。
対象となる住宅の引渡し・入居期限は令和3年12月31日から令和4年12月31日までに延長され、住宅の床面積要件は50㎡以上必要だったものが40㎡以上へと緩和されました。
すまい給付金の金額は都道府県税の所得割額によって異なり、市区町村発行の課税証明書の「都道府県民税の所得割額」で確認できます。
すまい給付金は住宅ローン減税と併用可能です。
こどもみらい住宅支援事業
令和4年より新たに始まる新制度で、リフォームへの補助金は全世帯が対象になり、18歳未満の子どもがいる「子育て世帯」といずれかが39歳以下の「若者夫婦世帯」にはさらに補助金額が拡大されます。
新築であれば子育て世帯・若者夫婦世帯には最大で100万円の補助金が交付され、リフォームであれば全世帯が対象となり最大で30万円の補助金が交付されます。
子育て世帯・若者夫婦世帯の場合には既存住宅を購入した場合のリフォームでは1戸につき上限60万円、それ以外のリフォームでは1戸に上限45万円が交付されるお得な制度です。
補助金交付申請に関してはリフォームの依頼者ではなく、リフォーム施工業者が行うため注意しましょう。
市町村住宅関連補助金制度
自治体が各自で行っている補助金で、制度の有無や内容、条件等は自治体によって異なるので、マンションを管理する自治体に問い合わせる必要があります。
補助金に関しての注意点
補助金に関してはいくつかの注意点があります。
自治体によって制度やもらえるお金が異なる
自治体によって独自の補助金を用意しているケースや、同じ制度でも金額が異なる場合があります。
地方自治体の用意しているリフォーム補助金などでは、市内に所在するリフォーム業者へ依頼した場合に限り補助金がでるケースもあるため注意が必要です。
場合によっては、補助金対象とならないリフォーム業者の方が見積額が安く、補助金を受け取ったとしても差し引いたあとの費用はほとんど変わらないことも可能性としてあります。
制度の併用ができないものもある
制度によっては併用不可なものがあり、たとえば住宅ローン減税とリフォーム減税を一緒に受けることはできず、国からの補助金も同時に受けることはできません。
補助金と減税は併用できますが、どの補助金や減税が受けられるか、戻ってくる金額が大きいかは条件によって異なります。
制度の併用に迷った場合は専門家に相談し、資金計画や要望に合った制度を教えてもらうと良いでしょう。
補助制度の変更で過去の事例が参考にならないことがある
補助金は年度ごとに内容が見なされるため、過去の事例が参考にならない可能性があります。
またそれぞれの補助金には申請期間が定められており、リフォームの着工前に申請しない場合や、予算の限度額に達すると募集は途中で締め切られてしまいます。
補助金制度についての補助率や限度額、申請期間など詳細をよく確認する必要があります。
中古マンションのリフォームでお悩みの方は「中古マンションはリノベーション済み購入or自分で!どちらがお得?」も併せてご覧ください。
まとめ
中古マンションをリフォームする際には補助金や減税を受けることで費用を少なくできます。
年度毎に補助金の内容は変わり、申請方法も制度によって異なるため、必ず確認をしましょう。
補助金には併用できる制度もあればできないものもありますが、基本的に減税措置とは併願可能です。
いくつかの補助金や減税の基準を満たしている場合は、補助額や減税額の大きなものを選ぶのが好ましいです。
判断に困った際は専門家に相談すると良いでしょう。