マンションの防音工事はどうしたらいい?防音対策・費用・注意点解説!

「ピアノを弾きたいけど、近隣の目が気になる。」

「テレワークで仕事しているけど、外の音がうるさい。」

マンションに住んでいると近隣の音は気になるでしょう。

自分が出す音、家族が出す音、外から聞こえてくる音、放置していると、思わぬトラブルになることもあります。

解決するにはどうしたら良いのでしょうか?
この記事ではマンションの騒音問題・解決方法・防音工事費用・注意点などについて解説します。

騒音でお悩みの人必見です。

マンションでの騒音問題

マンションやアパートのような集団生活では、常に近隣の音が気になるものです。

小さな子供のいる人、ペットを飼っている人、楽器を演奏している人にとって、音の問題は避けて通れないでしょう。

ここから、マンションの騒音問題について解説します。

生活音の問題

普通に生活している時でも生活音の問題は発生し、近隣トラブルの原因になります。

生活音は、赤ちゃんの泣き声、子供が走り回る音、人の話し声、電化製品の音、ペットの鳴き声などさまざまです。

赤ちゃんの泣き声

マンションで、夜中に赤ちゃんの泣き声が近隣に漏れるのを恐れ、泣いた時は親子で布団を被って対処する人もいます。

子供の衝撃音

子供が小さいうちは、どうしても家の中を走り回ったり、ソファの上でジャンプしたりと、騒音のもとになってしまうようなことがあるでしょう。

人の話し声

人の話し声は、声が大きい人であれば外に漏れる可能性があります。

電化製品から出る音

電化製品の音はエアコン・冷蔵庫などから発する音がありますが、気を付けたいのは洗濯機です。

夜に洗濯機を回すと近隣トラブルにつながるでしょう。

ペットの鳴き声

猫や小型犬などの鳴き声は、市販の防音グッズで対策できますが、大型犬の鳴き声は大きいため、リフォームで防音対策する必要があります。

ピアノなど楽器に関する音漏れの問題

楽器を練習したい人には防音室の設置がおすすめです。

楽器の音は必ず音漏れし、トラブルの元になります。

特に住居がマンションであれば上の階で鳴らした音は下の階に響くでしょう。

1時間ぐらいの練習ならいいだろうと思う人がいる反面、騒音に感じる人もいるのです。

練習の時のつまずきの音でさえも耳障りと感じる人もいます。

また、電子ピアノの場合、ヘッドホンを付けているから防音室はいらないだろうと思うかもしれないですが、電子ピアノには振動音の問題があります

ヘッドホンを付けて弾いても、ペダルを踏む音は必ず振動し、他の部屋へ伝わるでしょう。

さらに、打鍵の振動もピアノを通じて壁に伝わり、他の部屋へ伝わります。

他の楽器でも同様な問題があり、防音室の設置は必須です。

下記の表から遮音等級がわかります。

ピアノは防音室のない状態ではD10~D20となっており、近隣トラブルを避けるためには防音室を設置し、D65以上にする必要があります。

遮音等級 ピアノ・ステレオ等の音
D65 通常では聞こえない
D60 ほとんど聞こえない
D55 かすかに聞こえる
D50 小さく聞こえる
D45 かなり聞こえる
D40 曲がハッキリ分かる
D35 よく聞こえる
D30 大変良く聞こえる
D25 うるさい
D20 かなりうるさい
D15 大変うるさい

出典:「建築物の遮音性能基準と設計基準」日本建築学会より

外から響く音の問題

近年は、テレワークのため家で仕事する人も増えています。

そんな時気になるのは外の騒音でしょう。

自動車やオートバイの音、人の話し声など気になると仕事ができなくなってしまいます。

さらに、住居が線路や道路の近くにあると、常に騒音にさらされ、仕事どころではないでしょう。

また、騒音は昼間だけの問題ではありません。

騒音が気になり不眠に悩まされる人も少なくありません。

こうした騒音については防音カーテンや隙間テープである程度は防げますが、完全に音を遮断することは難しいでしょう。

普通の窓から防音サッシへと変更する防音工事により、完全に外からの音を遮れます。

音響設備の整った部屋の問題

大音響で好きな音楽を聴いたり、映画を見たり、そんな希望を持っている人は多いでしょう。

しかし、現実には近所の目が気になり、なかなかそのような部屋に住むことは難しいものです。

常に家族や近所の目を気にして、小さな音量で聴いていると、ストレス発散もできないでしょう。

専用の防音室として、オーディオルームやホームシアターを作ると、大音響で映画や音楽を楽しめ、リフレッシュできます。

防音工事の4つの方法とその費用相場

防音工事にはどのような方法があるのでしょうか?ここから4つの方法とその費用について解説します。

窓の防音

防音リフォームを考える際、効果的な方法は窓の防音です。

人は、外からの空気を伝わってくる音により、不快だと感じます。

窓を防音することにより、そうした不快感を軽減できるでしょう。

窓の防音方法は「二重窓」と「防音ガラス」です。

二重窓

窓を二重窓にすることにより、防音効果が高まります。

二重窓は既存の窓の内側に別の窓(内窓)を取り付ける仕組みです。

外から入ってきた音は外側の窓と内側の窓の間で反射し、はね返った音が家に入ってくるため、防音に効果的です。

費用:8万~15万円

防音ガラス

防音ガラスは防音を目的としたガラスであり、二重窓ほどの効果はありませんが、普通の窓と比較し、防音の効果が期待できます。

二重窓と併用することで、さらに高い効果を発揮できるでしょう。

費用:5万~15万円

壁の防音

壁の防音は「防音材を壁の内側に入れる」「換気口を防音向けにする」といった2つの方法があります。

防音材を壁の内側に入れる

防音材には以下の3種類があります。

吸音材:音を吸収し、外に音が漏れないようにします。

遮音材:音を跳ね返し、外からの音漏れを遮断します。

防振材:音の振動を小さくするもので、防音目的でピアノの足の下部に置く場合もあります。

費用:12万~15万円

換気口を防音向けにする

換気口や配管穴は音が漏れやすい場所です。

防音専用の換気口に変更することで、外からの音漏れ、家からの音漏れ両方を防げます。

費用:0.7万~5万円

床の防音

床の衝撃音は、椅子を引きずる音や、スリッパの足音などを示す「軽量衝撃音」と、子供が走り回る時の音を示す「重量衝撃音」の2種類です。

2つの衝撃音を防音するには「コルクマット・タイルカーペットに張り替える」「防音フローリング・防音カーペットに張り替える」「床材の下に遮音材を敷く・二重床の下に防音材を敷く」といった3つの方法があります。

コルクマット・タイルカーペットに張り替える

コルクマット・タイルカーペットは軽量衝撃音を吸収します。

費用:4.5万~12万円

防音フローリング・防音カーペットに張り替える

防音フローリング・防音カーペットは軽量衝撃音を吸収します。

遮音等級が高い床材は費用が高額です。

費用:6万~23万円

床材の下に遮音材を敷く・二重床の下に防音材を敷く

重量衝撃音対策の方法で、防音リフォームが必要です。

費用:16万~20万円

※床材に無垢材を使用した場合、費用がさらにかかる。

専用の防音室

「楽器を弾く」「オーディオルームとして利用する」なら専用の防音室が必要です。

防音室は「部屋を丸ごと防音室にする」「ユニット式の防音室を設置する」の2種類があります。

防音室を持つメリットは、外のスタジオを借りずに家で演奏できる点ですが、デメリットはユニット式の場合でも高額であることです。

部屋を丸ごと防音室にする

部屋を丸ごと防音室にする場合の費用相場は下記の通りです。

木造の建物は音漏れがしやすいため、鉄骨・鉄筋より費用が高くなります。

打楽器はピアノや管楽器に比較し、衝撃音が大きいため、防音室の施工工事は高額です。

部屋を丸ごと防音室にする場合は床・壁・天井を全て撤去する必要があり、大掛かりなリフォームとなります。

防音工事の内容 費用相場
鉄骨・鉄筋の建物(6畳) 230~360万円
木造の建物(6畳) 280~400万円
打楽器用の防音室・スタジオ 500万円~

ユニット式の防音室を設置する

ユニット式の防音室は部屋を丸ごと防音室にするより費用が抑えられるため、おすすめです。

費用:50万~250万円

マンション間取り別のリノベーション費用を知りたい方は「マンションのリノベーションにかかる費用とは?間取り別予算を紹介!」も併せてご覧ください。

防音工事で気を付けるべき4つのポイント

防音工事には気を付けるべき4つのポイントがあり、場合によっては防音工事ができない場合もあります。

リフォームプランに入る前に注意点を確認しておきましょう。

マンションの管理規約の確認

防音リフォームする場合、マンションの管理規約の確認が必要です。

リフォームする場合、管理組合へ届け出ることが必要になります。

床材は、遮音等級L45またはL40にしなければならないでしょう。

近隣へのあいさつ

防音リフォームする前にあらかじめ近隣にあいさつすると、無用なトラブルを避けられます。

また、工事用の駐車場の確認も必要です。

住人が停めてほしくないような場所に業者がトラックを停めた場合、クレームがくることがあります。

事前に駐車場を確認することで、安心してリフォームを進められるでしょう。

賃貸契約の利用規約の制限

賃貸契約であっても分譲マンションのように防音リフォームは可能です。

ただし、原状回復義務があるため、退去時には元の状態に戻す必要があります。

そのため、壁に穴を空けるなどの方法は避けて防音リフォームした方が良いでしょう。

防音工事と他のリフォームもの組み合わせ

将来ほかのリフォームを考えているのであれば、別々ではなく防音工事と一緒にリフォームした方が安く済みます

見積もり費・出張費・補償費などの諸経費が一度で終わり、トータルで見るとコスト削減になるでしょう。

また、近隣へのあいさつも一度で終わるため、手間も減らせます。

ドラム防音室の場合

ドラムは数ある楽器の中でも衝撃音が一番大きく防音室にするには制限がかかります

戸建て住宅の場合は問題ありませんが、マンションの場合は1階のみ可能か防音室が作れないといった場合もあります。

マンションの部分別リフォーム費用を知りたい方は「マンションのリフォーム費用はどのくらい?部分ごとの相場を紹介!」も併せてご覧ください。

補助金が使えるかどうかの確認

自治体によっては、対象者に防音工事の補助金が出る場合もあります。

対象地域に住んでいる人であれば、防音工事の費用を安く抑えられるでしょう。

幹線道路沿いに住居がある

「幹線道路の沿道の整備に関する法律」により助成金が工事費用の4分の3を限度額とし、一部支給されます。

「防音助成の申請」には、「騒音調査の申し込み」をし、審査に通ることが必要です。

自衛隊・在日米軍基地の近所に住居がある

「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」により助成金が100%支給されます。

対象地域に住んでいる人は自治体に「住宅防音工事希望届」を提出し、助成金を申請しましょう。

空港の近所に住居がある

「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」により、工事費用の一部または全部の助成金が支給されます。

助成金の申請には「助成申し込み」をして、審査に通ることが必要です。

まとめ

マンションに住んでいると楽器を演奏したり、子供が騒いだり、ペットの鳴き声には神経質になってしまうでしょう。

防音工事することで、音漏れのストレスから解放され、趣味を楽しむこともできます。

防音工事する場合、マンションの管理規約の確認や近隣へのあいさつなど注意点も確認しましょう。

安心して防音工事したいと望む人は、アフターフォロー体制も整っているベストリノベーションにお任せください。

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