和室リフォームで失敗しないためには?後悔しないための注意点
和室から洋室へ、または洋室から和室へのリフォームの2パターンはどちらを選択しても雰囲気は大きく変化するため魅力的ですが、結果として思いがけないトラブルが発生する可能性も捨て切れません。
リフォームを検討する際は成功例に沿って行うのも手段の一つですが、既存の建物の状態が異なれば改装方法も違ってきます。
2パターンのリフォーム方法から見た失敗例と対策について知ることで、起こりえる問題を事前に回避できる可能性が高まるでしょう。
目次
和室から洋室へのリフォームへの失敗例
まずは和室から洋室へリフォームした際の失敗例について見ていきましょう。
部屋が暑くなってしまった
和室の時は涼しかった室温が、洋室にしたことによって室温が上がったという例があります。
昔ながらの畳は調湿機能が優れており、夏場でも涼しい感覚が味わえますが、洋室にした際には畳自体が不要なものになるため、涼しさを感じられにくくなります。
それ以外の理由としては外からの温度の熱移動を減らすための断熱材の種類や施工方法が適していないことが考えられます。
断熱性が低い建物内で暮らすことになった場合、急激な温度差の変化によって体調を崩すヒートショックが起こるリスクも高くなるため注意が必要です。
和室から洋室へのリフォームを行う前に、室内温度の変化を想定することで問題を早期解決できます。
騒音でトラブルになってしまった
畳には防音効果が備わっており、スタイロ畳など材質によっては二重床フローリングと同程度の遮音性があります。
それを知らずに何の対策もしないままフローリングにリフォームしてしまうと、和室の時にはなかった騒音トラブルに見舞われるかもしれません。
生活騒音が大きくなった場合には近所から苦情がくることはもちろん、警察を呼ばれたり、法的な責任を問われる事態に発展したりする可能性もあるため注意が必要です。
賃貸のアパートやマンションに住んでいる場合は管理者から退去まで迫られるおそれがあります。
和室から洋室へのリフォームで失敗しないために
次は和室から洋室へのリフォームをする際の対策について紹介します。
エアコンや窓を設置する
環境省は室温目安に関して夏は28度、冬は20度と推奨しており、エアコンや窓を設置することが夏の暑さ対策になります。
エアコンであれば自動で適切な温度調整をしてくれますが、長時間風を浴びていると体調を崩す要因になる可能性があるため、エアコンの設置と共に窓の設置も施すことがおすすめです。
外気温の暑さは窓から室内に伝わりやすいため、設置するだけで効果が期待でき、電気代がかからず体への負担もないことが大きな利点です。
また、窓の種類によって断熱性は大きく異なり、アルミサッシ窓よりも樹脂窓のほうの効果が高いことが証明されています。
また内窓を正しく設置することでも断熱性能と遮熱性能が向上するため、夏の暑さ対策として大きな効果を発揮するでしょう。
防音規定を確認し防音対策をする
防音規定に沿った防音対策を行うことで適切に問題を解決できます。
防音には「吸音」「遮音」「防振」「制振」の4つの意味があり、音の問題に適合した対策を施さなければなりません。
吸音材はグラスウールやウレタンスポンジなどが代表的で、多孔質材料の内部に音が入り込み拡散することで音が熱エネルギーに変換されることで反射する音が小さくなります。
遮音材は遮音のある床材やカーテン、カーペット、パネルなどがあり、床材の下に設置したり、壁面や壁の中に設置したりするタイプのものが一般的で、音を遮り反射させる役割があります。
防振材は洗濯機や冷蔵庫の脚の部分などに使われるゴム材が代表的なもので、振動エネルギーを伝えにくくすることが特徴です。
制振材とは機械の振動を抑えるための材料で、直貼りのシートや塗布型の塗料タイプなどがあります。
和室 リノベーションについては「賃貸でもOK!和室をおしゃれにリノベーションするポイントを解説」も併せてご覧ください。
洋室から和室へのリフォームへの失敗例
洋室から和室へリフォームをした場合の失敗例はどのようなものがあるか見ていきましょう。
小上がりの段差が邪魔になってしまった
小上がりとは部屋の一部分を一段高くして設けた場所のことで、和室のリフォームを考えた場合、小上がりの段差を作ることには大きな利点があります。
設置してできたスペースを収納として活用したり、洗濯物をたたむ場や子どもの寝かしつけの場として利用したり、インテリアのデザインとしても申し分ありません。
小上がりの段差は見た目もおしゃれで実用性が高いことから人気がありますが、実際に生活すると邪魔になってしまう可能性もあります。
子どもの育児中、目を離したすきに段差から転落してしまう危険性があり、ルンバなどの機械が自動で行う掃除機を使う際にも一手間かかります。
利点も大きいですが、状況によっては欠点が目立つことから利用することが困難になってしまうおそれもあるのです。
部屋が狭く感じるようになった
小上がりの段差がある場合、開放感を感じにくくなることがあります。
小上がりは、4.5畳の広さの人気があると言われていますがスペースが必要な分、部屋が狭く感じられる可能性があります。
これは、小上がりに対しての不満としてよく上げられる点で、人によっては部屋の中に障害物があるように感じられるかもしれません。
部屋を狭く感じさせないために10㎝程度の段差にしたケースもありますが、つまずいてしまったり、足を滑らせてしまったりと、他の欠点も目についてくる例も多いです。
設置後の対策としては撤去するしかなく、時間的にも金額的にも大きな損失なので、小上がりを設置する際には開放感が感じられない可能性があることを念頭に入れましょう。
洋室から和室へのリフォームで失敗しないために
腰を掛けられる高さの段差にする
昇降しやすい階段の高さは20cm程度と言われますが、収納や腰をかけることを考えると30〜40㎝が理想的です。
腰を掛けられるくらいの高さがあればつまずくこともなく、高齢の家族がいる場合でも安心して利用できます。
小上がりを使わなくなる要因の一つが、「上がるのが面倒」という点です。
利点を活かし、末永く利用するためにも腰を掛けられる高さにすることは重要ですが、それでも難しい場合にはもう一段踏み台を作ることも有効な手段です。
家族の安全面を考慮し、適切な対応をすることで段差のあるリスクを最小限に抑えられます。
和室の用途を考える
小上がりの段差が邪魔にならないよう、和室の用途によって段差のある床にしたり、フラットな床にしたりと、前もって検討する必要があるでしょう。
休憩したり、客間にしたりと、一つの部屋として使いたい場合には段差を付け、そうでなければフラットにし、解放感のある和室として利用することが好ましいかもしれません。
小上がりのスペースは最初こそ満足できても5〜10年も経てば邪魔になると言った声も挙がります。
短期的な考えだけでなく、中長期的な目線を取り入れ検討したほうが良いでしょう。
自身だけでなく、未来の家族構成や家族の身体状況などを見据え、必要だと感じられることが望ましいです。
【共通】和室と洋室のリフォームで失敗しないために
和室・洋室のリフォームを行うにあたって共通した注意点があります。
全面的にリフォームする
一部分だけを改装する場合、新しい箇所と既存箇所で見た目の違いが出てしまう可能性があるので、状況によっては部屋を全体的にリフォームしてしまった方が良いでしょう。
全体的なリフォームを行う場合、費用はかかりますが結果的には問題が発生するリスクも大きく抑えられます。
自分で行わない
リフォームをDIYで行った例もありますが、専門的な知識や経験がなければ和室と洋室の切り替えはレベルが高いので、専門の業者に頼むべきです。
自分で行う場合は費用が抑えられますが、一人で行う改装には多くの時間がかかり失敗するリスクも隣り合わせなので、専門のリフォーム会社に任せたほうが良いでしょう。
和室 フローリングについては「和室をフローリングにリフォーム!DIYでもOK?費用や方法を解説」も併せてご覧ください。
まとめ
和室から洋室、洋室から和室へのリフォームでの失敗例と対策について紹介しました。
思いがけないトラブルも、事前に起こりえる問題を知ることで被害の可能性を最小限に抑えられます。
レベルの高い工事なので、DIYは行わず専門のリフォーム会社に依頼することが理想です。
ただし経験や実績の少ない会社に依頼した場合、同様の問題が起こる可能性は捨て切れません。
リフォームを行うなら確かな知識や経験・実績のあるベストリノベーションがおすすめです。
幅広いニーズに対応することはもちろん、生活面や機能性に配慮したリフォーム方法を提案します。