失敗しない砂壁リフォーム!費用やDIYでも簡単にできる方法を解説
和室の壁によく使われる砂壁は、日本の気候にも適しており、落ち着いた色合いで高級壁とも呼ばれていました。
砂を水で練り下地の上に塗り、仕上げた壁です。
同じ製法に土壁や珪藻土壁、漆喰壁といった種類もあります。
自然の素材を使用しているので安心して使用できますが、経年劣化にともない、表面の砂が少しずつ取れてしまうのがデメリットです。
築数十年たつと、手に触れなくてもポロポロと剥がれ落ちてしまうので掃除が大変です。
砂が剥がれると部屋自体も古臭い印象を持ってしまいます。
表面の砂が取れはじめた時点で、砂壁をリフォームして部屋の雰囲気を変えてみるのも良いでしょう。
こちらの記事では、砂壁をリフォームする方法と種類、費用はどのくらいなのか紹介します。
目次
砂壁のリフォームについて
和室に多く使用されている砂壁を、リフォームしたいと思っている方が増えています。
リフォームしたいと考えられるよくある理由やリフォームの期間はどのくらいかかるのかを説明していきます。
剥離しやすいので掃除が手間
砂壁は剥がれやすいのがデメリットです。
壁にものがぶつかったときや、年月が経過して劣化すると、壁面が削れてしまい室内に砂が落ちてしまいます。
剥がれた砂はカーテンにも付着しやすいため、カーテンの洗濯の手間も増えて、掃除の時間が増えてしまいます。
そのため、砂壁自体をやめて別の壁にリフォームしてしまうか、新しい砂壁にリフォームするかの対応をした方が掃除の効率が上がるのです。
リフォームには時間がかかる
砂壁は専門性が高く、知識と経験を必要とするので、左官屋に依頼することになるでしょう。
一般的な、壁紙から壁紙へリフォームするときは、だいたい1日で完了しますが、砂壁をリフォームするときの工事期間は、2~4日程度かかります。
工事期間が長くなる理由は、一般的な壁紙からのリフォームよりも手間がかかるからです。
和室のリフォームを考えている方は「和室天井をリフォームするには?クロスの張替え・塗装の方法解説!」も併せてご覧ください。
砂壁をリフォームする方法
ここからは、砂壁をリフォームする方法を紹介していきます。
塗装する
塗装する方法があります。
砂壁の上からペンキを塗ることで新しい壁にすることができるのです。
砂壁には、
- 湿気を吸い取ってくれるため、湿度を調整しやすい
- 化学物質を使用しないため、シックハウスになりにくい
- 砂壁の原料は不燃性のため、防火性、耐火性に優れている
といった特有の特徴がありますが、上からペンキを塗ってしまうことによって、その特徴がなくなってしまうので注意が必要です。
塗り替える
別の素材を使って、砂壁ではないものにアレンジをしたいと考える方もいるでしょう。
使用される素材としては、珪藻土や漆喰を使用するケースも増えてきました。
特に、珪藻土が持つ性質やアレンジのしやすさから、珪藻土を使用したリフォームは増えています。
珪藻土と漆喰に塗り替えをするにはどれくらいの費用がかかるのも紹介していきます。
珪藻土
珪藻土は、室内の湿度が高いときは湿気を吸収し、湿度が下がると吸収した湿気を吐きだす調湿機能に優れているので注目されるようになりました。
また砂壁や土壁と違い、薄く塗るのではなく重ね塗りをしたり、模様付けをしたりとアレンジを楽しむことも可能です。
1度で塗り終えるのか、2度塗りや模様付けをするのかしないのかにより、かかる費用が大幅に変動します。
砂壁を、あらためて砂壁に塗装し直すより、価格は高くなる傾向にあります。
漆喰
漆喰は珪藻土と同じく湿気を吸収し、乾燥した際には吸収した湿気を吐きだす調湿機能を備えているので、壁の塗り替えに使われています。
防火性にも優れているので、昔から存在している蔵の内壁にも使われてきました。
漆喰はホコリがつきにくく、メンテナンスも手軽にできます。
そのため塗り直しを業者に依頼すると費用は20万円程度と他の素材に比べて高価になりやすい傾向があります。
漆喰は経年劣化しにくいのが魅力ですが、いったんリフォームすると次回のリフォームはしばらく必要ないので、期間を考えるとお得になる可能性があります。
壁紙を貼る
塗装を施すのではなく、おしゃれなデザインの壁紙に変更したいという方もいるでしょう。
砂壁の上に壁紙を貼ることは可能ですが、塗装するよりは手間がかかります。
砂壁の表面はなめらかではなくザラザラとしているので、壁紙を直接貼ることはできません。
このため、「砂壁を固めてからそのうえに壁紙を貼る方法」と、「ベニヤ板などを貼り、そのうえに壁紙を貼る方法」と2つの方法があります。
手間がかかるこの方法は、業者に依頼すると、費用は10万~15万円となり、金額も塗装より高くなります。
マンションの塗り壁リフォームを考えている方は「マンションには塗り壁が向いている?メリット・デメリットも解説!」も併せてご覧ください。
DIYで砂壁をリフォームするなら
砂壁をリフォームするには専門の業者に依頼するのがおすすめですが、DIYに挑戦したい方もいるのではないでしょうか。
砂壁から別の素材にリフォームするとき、リフォームに適したタイミングとDIYする方法を紹介していきます。
DIYでリフォームするタイミング
砂壁のリフォームが必要だと判断する基準は、壁にカビがついている場合と、壁に触れていないのに砂や粉が落ちるようになったら、リフォームが必要な時期だといえるでしょう。
他の部分にまでカビが移ってしまったり、劣化してしまったりすると、その部分も自分で行わなくてはいけないので、手遅れになる前にリフォームすると良いです。
DIYする方法
砂壁をDIYするとき、まず行うのは塗料を選択することです。
ペンキで塗装する前提で紹介していきます。
ペンキは油性と水性の2種類ありますが、砂壁のリフォームでは、水性ペンキがおすすめです。
価格も安く素人でも安心して使えるのが水性ペンキの魅力です。
養生をする
養生とは、塗装するときに、塗る部分と塗らない部分を分ける工程です。
塗装がはみ出ないように、マスキングテープなどをはみ出しやすい場所に貼り付けます。
テープは剥がれやすい専用のテープを使いましょう。
砂を落とす
塗装する前に、剥がれた砂を軽く払っておきましょう。
塗装している間に、砂が剥がれてしまうと塗りづらいので、事前に砂落としを忘れずにしておきましょう。
下塗りをする
砂落としをした後は、シーラーと呼ばれる下地の調整材を用いて下塗りをします。
下塗りをすることで、砂がこぼれ落ちることを防ぎ、塗装しやすくします。
スプレータイプのものを使うのが、使いやすくておすすめです。
乾燥させる
シーラーを使って下塗りを行ったあとは、3時間ほど乾くまでそのままにしておきます。
しっかり乾燥させないと、再度、砂が落ちてきてしまうので注意しましょう。
乾燥していることをチェックできたら、自分で選択した塗料で塗装するか、珪藻土や漆喰を使うのもおすすめです。
砂壁はプロでも塗装が難しい壁です。
失敗してもDIYをしたいという方におすすめの方法です。
まとめ
砂壁のリフォームについて、砂壁から他の素材に変更する方法について、業者に依頼する場合と、DIYをする方法を解説しました。
砂壁は年月が経過すると剥がれ落ちてしまうデメリットがあるため、一般的な壁にリフォームしてしまう方が多いです。
砂壁は塗り替えには専門的な技術が必要ですが、自然素材で吸湿性にも防火性にもシックハウスにも有効なので、砂壁を使い続けるのも良いでしょう。
DIYでリフォームする選択肢はあるものの、専門性が高く失敗するリスクがあるため、知識や経験のある専門業者に依頼するのがおすすめです。
予算に応じた最適な砂壁のリフォームを望む方は、住宅リフォーム全般の実績が豊富で、アフターフォロー体制も整っているベストリノベーションにお任せください。